トピックス・ニュース
石油化学新聞 7月6日 5490号に掲載されました。
以下、記事より抜粋
PCR材 品質向上へ積極投資 車向け拡販
石塚化学産業はプラスチックのポストコンシューマーリサイクル(PCR)材料の品質向上へ設備投資を積極化する。生産工程で異物を除去する設備や、PCR材料の品質を評価する試験機を相次ぎ導入する。これらを中心とする設備投資に27年4月期までの2年間で3億7千万円程度を充てる。高い品質が求められる自動車向けPCR材料の拡販につなげる。国内2工場のうち主力の関東工場(埼玉県加須市)で昨年、レーザーフィルター付き単軸押出機を新設した。レーザーフィルターは金属プレートにレーザーで多数の微細な穴を開けたメッシュレスの高性能なフィルターで、異物を連続的に除去しながら運転でき、PCR材料の品質向上を実現する。比重の差を利用して異物を除去する比重選別機も増設し3ライン体制とした。試験機は新たにガスクロマトグラフ質量分析計を導入した。工場建屋が手狭になったため昨年はテント倉庫も増設し、これまで原料の倉庫に使用していた建屋の一部を工場に転用した。今年は8月に色や明るさの違いから異物を選り分ける色彩選別機を新設する。自動車向けPCR材料に求められる耐衝撃性を評価する衝撃試験機も導入する。欧州でのELV(廃車)規制による再生材利用の義務化など、世界で主要国が再生材制度の適用を進めている。日本でも4月に改正資源有効利用促進法が施行され、一定の製品分野で資源の再利用が求められるようになり、PCR材料のニーズも自動車向けなどで高まる見通し。拡大する需要を取り込む考えで、将来は増販に伴い2軸押出機を増設し、生産能力を引き上げる計画だ。主にリサイクル原料の前処理を行う新潟工場(新潟県見附市)でも設備投資を行う。今年中に水稲の苗箱といった農業資材などポリオレフィン射出成形品の粉砕機を増設し2ライン体制とする。原料の安定調達につなげる。石塚化学は54年に国内初のプラスチックのマテリアルリサイクル企業として発足、57年にバージン樹脂コンパウンドも事業化した。現在はコアのリサイクル機能、樹脂コンパウンド機能、商社機能を組み合わせ、多様な顧客の課題を一気通貫で解決するワンストップソリューションの提供に注力している。こうした施策が奏功して販売を伸ばし単体売上高は52億5千万円となり、利益ともに過去最高を記録した。
7月13日 5491号にも掲載されました。
以下、記事より抜粋
石塚化学ラオス進出 樹脂向け着色剤を生産
石塚化学産業はラオスに本格進出する。プラスチック向けドライカラー(乾式着色剤)を生産する工場を新設し27年中に稼働する予定だ。同国での需要増に対応する。首都ビエンチャンの経済特区ビタパークに約2千平方メートルの用地を取得しドライカラー工場を建設する。工場を運営する新会社、石塚ケミカルラオスは6月に設立済みで、石塚化学のタイ子会社、石塚ケミカルタイランドが100%出資した。ドライカラーはプラスチック用の粉末状着色剤の一種で、顔料や染料に金属石けんやワックスなどの分散剤を加えて作られる。粉末状であるため射出成形や押出成形などで樹脂ペレットに直接混ぜる際に飛び散りやすいといったデメリットがある半面、コストが安いというメリットが大きく、ラオスでもプラスチック市場の成長に伴い需要が拡大している。こうした状況下、石塚化学はラオスでドライカラーの現地生産に乗り出し、拡販につなげる。将来は顧客のプラスチック成形品生産工程で発生する端材や不良品などを回収して再生するポストインダストリアル(PIR)材料の事業化も検討する。ペレットを生産する押出機を導入する。石塚化学にとってラオスの新会社は海外で三つ目の子会社となる。13年に操業開始したタイ子会社はチョンブリ県バーンブン郡の本社工場でプラスチックのコンパウンドやリサイクル材料などを生産し、販売を伸ばしている。ベトナムのホーチミン市にはプラスチック材料、添加剤、着色剤などを販売する子会社を23年11月に設立した。
以下、記事より抜粋
SusPla 再生材市場を健全発展 自動車向け再生材で連携
SusPlaが、自動車リサイクル市場の創出に向けた活動を本格化している。欧州でELV(廃車)規制によるプラスチック再生材利用義務化の導入に向けた検討が進む一方、国内では品質や供給量への懸念から再生材の利用が一部にとどまる。需要家が安心して再生材を採用できるよう、リサイクラー工場の製造システムや品質管理体制を第三者が評価する「SPC認証」の普及に努め、動静脈産業をつなぐ高度なトレーサビリティーシステムの構築を目指す。SusPlaは石塚化学産業、いその、近江物産、タイボーのリサイクラー4社とサステナブル経営推進機構(SuMPO)が中心となり24年7月に発足、25年4月に一般社団法人化した。理事には4社に加え、需要家としてトヨタ自動車、デンソー、パナソニックETソリューションズ、化学企業では三井化学、積水化学工業が名を連ねる。アカデミア、政府機関なども参画し、会員数は26年6月現在175者に達した。石塚勝一理事長(石塚化学産業会長)は「再生材市場の健全な発展を目指し、高品質な再生材を供給できる仕組みを整える」と語る。環境規制を背景に、自動車リサイクルを巡り内外環境が大きく変化している。ELV規制を見据え、中国では年間30万~50万㌧規模の巨大なリサイクラーが台頭し、安価な再生材で攻勢をかける。それに対して日本は中小規模のリサイクラーが多く、自動車グレードを満たす再生材を大ロットで安定的に供給することが難しい。自動車向け再生材は30~40年にかけて30万~40万㌧が必要になるとされ、品質と供給量を両立できる体制の構築が日本の資源循環産業の競争力を左右する。
SuMPOが運営機関となりSusPlaが普及を進めるSPC認証は、マテリアルリサイクルに関わるサプライチェーン上の事業者を品質・安定供給・安全・環境の観点から第三者が総合的に評価する認証。リサイクラーが取得することで、需要家が安心して再生材を使用できる。政府は静脈側でリサイクル材の情報を管理する「リサイクル・マテリア
ル・プラットフォーム(RMP)」の実証・検証を進めており、SPC認証とのデータ連携を模索する。動脈側で化学物質データを管理する「ケミカル・アンド・サーキュラー・マネジメント・プラットフォーム(CMP)」が9月に運用を開始する予定で、将来的にRMPとCMPを接続すれば高度なトレーサビリティーを備えた循環システムが実現する。一方、自動車リサイクルの社会実装には課題も多い。自動車向けの品質を満たすには廃材の選別・洗浄など前処理設備が必要で、リサイクラーの投資負担が大きい。前処理後も自動車用途の基準を満たす高品質材は7~8割の見込みで、残る中品質材の受け皿として日用品などのリサイクル市場の確立が必要となる。加えて、欧州で議論が進むデジタル製品パスポート(DPP)や環境製品宣言(EPD)などとSPC認証の整合性も重要になる。石塚会長は「ここ2~3年で日本の資源循環産業の基盤を築けるかが勝負になる」とみている。
