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日刊工業新聞 8月7日号に掲載されました。
以下、記事より抜粋
再生プラ 循環の輪広げる
環境省が旗を振り、再生プラスチック供給拠点の集約化に向けて動き出した。規制への対応が迫られる自動車産業への再生プラの供給量を増やす目的だ。中国も良質な再生プラを生産する技術力を付けており、日本企業が購入しているという証言がある。危機感を持ったライバル企業同士が集約化に向けて連携の検討を始めた。6月上旬、テーブルに6人が肩を寄せ合うように着席し、会見に臨んだ。「独立で続けるのか、一つの会社を作って生産性を高めるのか」「個社の力では限界がある」「品質・コストで中国に対抗できる体制を作りたい」一人が口火を切ると次々と発言が飛び出した。6人は石塚化学産業、近江物産福島、協和産業、協和資材、大誠樹脂、タカロクの会長や社長。6社はいずれも再生プラスチックのメーカーだ。プラスチック循環利用協会(東京都中央区)とともに環境省のFS事業に採択され、自動車向けに再生プラを供給する体制整備に向けた協定を結んだ。会見によると、6社が幹事会社となり、生産設備の連携や拠点集約化の可能性を調査する。対象には全日本プラスチックリサイクル工業会の関東地区の会員も含まれる。検討次第だが、自動車メーカー向けの再生プラスチック製造工場を共同で建設することも視野に入っている。6社は業界の老舗ばかり。連携に向けて背中を押したのが、自動車業界への規制だ。欧州連合(EU)は、新車に再生プラの搭載を義務付ける「欧州ELV規則」を準備している。2026年中に施行されると32年からプラ全体の15%の搭載が求められる。再生プラのうち20%(プラ全体の3%)は廃自動車由来、残りは市場から回収した廃プラ由来。これがハードルを高めている。品質のバラつきがある廃プラから、自動車の要求を満たす品質の再生プラを大量生産する必要がある。現状、単独で対応できる再生プラメーカーはなく、環境省が拠点集約化を提唱した。中国勢の台頭も6社の背中を押した。中国メーカーも急速に技術力を高めており、日本企業が中国製の良質な再生プラを調達している模様だ。中国政府は30年までに再生プラの年間生産量を1950万㌧以上とする目標を設定し、市場形成にも動き出している。プラスチック循環利用協会の推定によると、国内の24年の再生プラの供給量は180万㌧。中国から良質な再生プラを調達する製品メーカーが増えると、国内でプラ資源を循環させようとしている政府の構想が崩れる。環境省が打ち出した拠点集約化について、FSに参加する石塚化学産業の石塚勝一会長は「業界が変わるきっかけになる」と評価する。再生プラメーカーは少量生産が当たり前。自動車向けに大量生産するには大型設備が必要となり、コストダウンも考えると省力化も求められる。今後の競争力強化を考えると当然な対応だ。ただし、課題もある。一つが再生プラの安全性の確認だ。再生プラに有害物質が含まれないように検査するが、使用禁止ではない高懸念物質についても全量調査を要求されると、検査の負担が大きくなる。自動車に限らずどの業界の製品メーカーもコンプライアンスを考え、高懸念物質の扱いには慎重になる。そこで石塚会長は、国や業界団体による調査基準の策定を提案する。調査範囲を定めることで検査負担を軽減できるからだ。在庫も課題だ。自動車産業への供給責任を果たすために、再生プラの材料となる廃プラを大量に集めないといけない。しかも良質な材料を選ぶために、必要量以上の廃プラを確保する必要があり、在庫が増えて経営の負担となる。また、自動車向けに使われなかった廃プラの在庫も課題だ。自動車向けに比べると品質は落ちるが、再生プラとして利用できる用途は多い。残った廃プラも資源として循環させるため「再生プラの市場を広げてほしい」と訴える。
